子どもたちにとって待ちに待った夏休み!
たくさん遊びたいよね〜。でも宿題もちゃんとやってね。
子どもにとってもお母さんたちにとっても気が重い夏休みの宿題はなんと言っても
読書感想文
ですよね。
読書が好きな子でも、感想文が得意という子はおそらく少数なのではないでしょうか。ましてや普段本を読むことが苦手な子にとってはもう辛いことこの上なし。
うちの息子(小4)は計算をしたり、数をかぞえるのが大好きな理系男子。読書には全く興味なし。
ネットで「読書感想文の書き方」を検索すると色々な「読書感想文攻略法」がヒットしますが、本を読む習慣すらないうちの息子にはどれもレベルの高いテクニックのような気がします。
今回はそんな読書が苦手な子にこそおすすめの、読書感想文の本の選び方・書き方
をまとめてみました。
この記事は自主的に月に何冊も本を読むようなレベルの子に向けたテクニックではありません。あくまでも読書が苦手な子が原稿用紙を自分の力でうめるための効率の良い方法です。
わが家の4年生の息子の過去の失敗をもとに私なりに考えた方法です。
いや、息子の失敗ではなくて私の失敗なんですけどね…。
はっきり言って、いわゆる読書感想文のセオリーをかなり無視した方法です(笑)
題して
今年の夏こそ泣かずに終わらせる読書感想文!
低学年(1〜3年生)くらいを対象にした、【読書感想文が書きやすいおすすめの本】も最後に掲載しています。
読書感想文の本の選び方
子どもに本選びを丸投げしない
感想文の本を選ぶ時に「子どもが興味を持って選んだ本」をすすめることが多いですが、本選びを本人に丸投げするのは危険です。
なぜなら
普段読書をしない子はどんな本が読書感想文に向いているかわからない
からです。なんとなくおもしろそうだな、という本を選ぶと、目的が「読書」になってしまいがち。もちろん本を楽しんで読むことは大切なのですが、今回の最終ゴールは「読書感想文を自分の言葉を使って書く」こと。
できるだけ「感想文が書きやすい本」を一緒に選ぶことをおすすめします。
では、感想文が書きやすいのは一体どんな本なんでしょう?
以下で具体的に掘り下げていきたいと思います。
100ページ前後の本
普段本を読まない子が文字数の多い本に挑戦すると、本を読み切るだけで力尽きてしまいます。とはいえ、短すぎると内容が薄くてまとめづらいです。
読み終わったときにストーリーの全体像がちゃんと記憶に残る程度の100ページ前後の本がおすすめです(読書が好きな子はもう少し長い本の方が書きやすいです)。
登場人物が少ない本
(私の失敗談その①)
去年は「大どろぼうホッツェンプロッツ(207P)」を息子が選びました。
まず読み終わるまで時間がかかりました。そして登場人物がそこそこ多く、ストーリーが様々な場所で繰り広げられるので、本人は面白いと言っていましたが、やっと読み終えた時には全体像が頭に入っていなかったようです。
登場人物、場所設定、時系列がシンプルなものがおすすめです。
身近な設定で自分事として読める本
冒険ものや謎解きなど、子どもに人気で面白い本はたくさんありますが、自分事として読めるような身近な話のほうが読書感想文には断然有利です。
(私の失敗談その②)
2年生の時に読んだ本は「エルマーのぼうけん(128P)」でした。エルマーシリーズは私が子どもの頃にも読んだ名作。ぜひ息子にも楽しんで欲しい、そんな気持ちで私が選びましたが…感想を聞いても「おもしろかった」「ドキドキした」で終わってしまいました(笑)。
壮大な冒険ものはワクワクして楽しいけど、読書が苦手な子の感想文にはちょっとハードルが高いかもしれません。
ストーリーを思う存分楽しんでもらいたいので、感想文の宿題とは別の機会に出会って欲しいです。
本を選んだらいよいよ読み始めましょう!
静かに読書に集中しよう
- 声に出して読みましょう
- メモを取りながら読みましょう
- 気になるところにふせんを貼りましょう
これ、全部不要です!
なぜなら読書に集中できないからです。今回はメモを取るほど長い本は選ばない前提なので、とにかく集中して静かに読みましょう。
(私の失敗談その③)
おととし息子が「エルマーの冒険」を読む時に、「気になるところにふせんを」と指導したのですが、あとで見返したら笑っちゃうくらい本筋と関係のないところにばかりふせんが貼ってありました…。
残ったのは、あとで無駄なふせんをはがす私の手間だけ(笑)
感想文のクオリティにこだわらない
去年、おととしは少しでも良い感想文に仕上げたい、という(私の))気合いが空回りして、息子の文章にずいぶん口を出してしまいました。結果的には私にとっては少し満足のいくものになったかもしれませんが、息子は全然楽しくなかったはず。
親目線でクオリティにこだわるのは子ども本人にとって、あまり意味がありません。むしろ無理やりやらされたという嫌な記憶が残るだけかもしれません。
去年までの私のように、つい口を出してしまいたくなった時は「今回の読書感想文の目的」を再度確認してみましょう。
今回の読書感想文の目的を再度確認しましょう!
- 原稿用紙を埋める
- 自分の力でやり切った達成感を得る(親のサポートは2割くらい)
- 感想文に対する嫌悪感を持たせない
- 自由でいい!簡単なんだ!というポジティブイメージを持ってもらう
ここに集中しましょう。
「読書感想文を通じて本を好きになってもらいたい」「この本を読んで何かを学び取ってもらいたい」
などは本筋からブレるので考えないようにします。
ではいよいよ次は、感想文の構成についてです。
難しく考えずに自分らしい言葉を使って文章が書けるコツを考えてみました。
読書が苦手な子でもできる!文の構成
定番の2つの要素をはぶく!
①定番の要素「本を選んだ理由」をはぶく
選んだ理由を聞いてもたぶん
となると思います(笑)
その代わりに「題名から思い浮かんだこと」「表紙をみてどんな話だと思ったか」この2点を本を読み始める前にメモしておいて、冒頭に書くのがおすすめです。
②定番の要素「あらすじ」をはぶく
読書が苦手な子はあらすじをまとめるのが苦手です。無理してまとめようとしても、多分まとまらないと思います(笑)。今回はあらすじなしでいきましょう!
その代わりにやることは、登場人物の中で好きな一人を選ぶ(仮にAちゃんとします)
- Aちゃんはどんな子?「いつ」「どこで」「何をした?」
- 話の中でAちゃんが言ったorやったことで印象に残ったこと、その理由。
- Aちゃんと自分はどこが似ていてどこが似ていない?
この作業で物語の世界と自分が少しずつ融合していきます。
本から離れて「自分のこと」を書く
・本を読みながら思い出した最近の出来事(本の内容とは関係なくていい。最近の自分の生活の中での経験)
・自分以外の誰かを登場させて必ず会話文を入れる。会話文が入ると途端に文章が生き生きとします。何よりもカギかっこを使うと改行でスペースが稼げます(笑)
最後は無理にまとめない!
攻略法の多くで「この本を読む前と後の自分はどう変わったか」をまとめに書くことをすすめていますが、本を1冊読む前と後の自分…おそらく何も変わっていないですよね。個人的には、最後に突然良い子になるあのまとめ方が苦手です(笑)。
自分の変化が特にない場合には、こんな風にまとめるのがおすすめです。
【パターン1】本を読み終わった時の自分の気分をセリフで書く
(例)「私もがんばるぞ〜!」「ぼくはAちゃんみたいにはがんばれないな〜。」
【パターン2】みんなに話しかけるような疑問形で終わる
(例)「みんなも○○してみたいと思いますか?」「みんながAちゃんだったらどうしますか?」
【パターン3】誰かにすすめてみる
(例)「この本でわたしはげんきになりました。げんきがない人におすすめです!」
このまとめの部分はあまり広げようとせずに1〜2文程度に収める程度、と思えば気楽に書けます。
割合としては以下のような感じでしょうか。
- 「題名から思い浮かんだこと」「表紙をみてどんな話だと思ったか」…20%
- 「登場人物の一人について書く」…30%
- 「本から離れて自分のことについて書く」…40%
- 「まとめ」…10%
読書感想文といっても、自分のことを半分近くも書いたら、たとえ文章がつたなくてもその子にしか書けない個性のある文章になります。
この4つの要素をまずは小分けにしてメモ帳などに下書きしながら、足りないボリュームを保護者がインタビュー形式で広げていくのがいいと思います。1日でやるのは大変、という場合は数日に分けた方が楽に書けるかもしれません。
最後に、このような方法で読書感想文を書くのにおすすめな本をまとめてみました。タイトルの後にページ数も書き添えてみたので本選びの参考にしてみてください。
小学1年〜3年(低学年)の読書感想文におすすめの本
しっぱいにかんぱい (96P)
人に言えない失敗は、だれにでもあります。達也のおねえちゃんは、小学校のリレーで、失敗をしてしまいます。朝ごはんも食べられないくらいおちこむおねえちゃん。そんなとき、おじいちゃんから電話がかかってきて…。
ふたりはともだち(64P)
仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード
(5つの短編集なので低学年の子でも読みやすいです)
はじめてのおつかい(32P)
「みいちゃん、ひとりで おつかい できるかしら」ある日、ママはとても忙しそうでした。それなので、牛乳を買ってきて欲しいとみいちゃんにお願いしました。ところが、みいちゃんは「ひとりで!」と驚いてしまいます。今まで一人で出掛けたことがなかったからです…。
(ページ数は少ないですが、ストーリーがわかりやすく、自分事として読みやすい本です。)
余談ですが、個人的には「はじめてのおつかい」はママたちにもぜひ読んでもらいたい1冊です。主人公のみいちゃんの頑張りに、母目線でついつい涙がこぼれます。
先生、しゅくだいわすれました (95p)
しゅくだいをわすれたゆうすけ。しどろもどろに口からでまかせのウソでいいわけをしていると、えりこ先生が「だめだなあ、ウソをつくならもっと上手につかなくちゃ」「え?」「すぐばれるようなのはだめよ。それから、聞いた相手が楽しくなるようなのじゃなくちゃ」「楽しくなる?」「そう。聞いた人がウソとわかっても、はははってわらっちゃうようなのじゃなきゃ」「じゃあ、上手にウソがつけたら、しゅくだいやってなくてもしかられないってこと?」「そうねえ。だって、だまされちゃったらしかたないし」といって、えりこ先生はにやっとわらった。…次の日から子どもたちはしゅくだいができなかったわけを考えてきて発表することに…。
まほうのじどうはんばいき (94p)
こうへいが見つけた変わった自動販売機。ボタンを押すと、そのとき必要なものが何でも出てくる。しだいに販売機に頼っていくこうへいを心配したお母さんが、ボタンを押したことで、突然販売機が姿を消してしまった!
れいぞうこのなつやすみ (79P)
夏のある日曜日、れいぞうこが壊れてしまった。お父ちゃんはれいぞうこのビールが冷えていないと大騒ぎ。ぼくが駆けつけると、アイスは溶けてアイス汁に変わっていた。れいぞうこに変なものを入れたからだとお父ちゃんとお母ちゃんが言い争ってる。お父ちゃんが、れいぞうこを点検していると、突然れいぞうこに目と鼻と口ができて、しゃべりだした。そして夏休みをもらってプールに行きたいと言い出したから驚いた。ぼくとお父ちゃんとお母ちゃんは、仕方なくプールに連れて行くことにした。しかも、水着まで着たいというから、世話がかかる。
しゅくだいさかあがり(77P)
夏休みに、さかあがりの宿題がでた。友達のさとしと一緒にさかあがりの練習をしたけれど、一度もできなくてさとしに八つ当たりしてしまった。もうさかあがりなんて、どうでもいいやって思った。練習なんかするもんかって思った。
次の日、友達がプールに行こうと誘ってくれたけど、行かなかった。お父さんが心配して「さかあがりはできた?」と聞いてきたけど、適当に答えることしかできなかった。でも、心のどこかでずっとさかあがりのことが気になっていた。さかあがりなんてどうでもいいはずなのに、気がついたらぼくは公園に向かって走っていた。
公園のてつぼうを見て、もう一度さかあがりの練習をしようと思った。すると、そこにさとしが来てくれた。さとしのお兄ちゃんから言われたコツを頭に入れながら、必死に何度も何度も地面をけって練習をした。すると、重かったおしりがすっと軽くなって……。
かわいいこねこをもらってください(70P)
ちいちゃんはこねこを拾いました。ところがおうちはアパートで飼えないし、もらってくれる人もなかなか見つかりません…。どうしたらいいの? 小さな命を守ろうと頑張った女の子のお話。
願いがかなうふしぎな日記(151P)
「望みはこれに書いておくといいよ。きっとかなうから」亡くなったおばあちゃんからもらった日記に、願いごとを書いた光平。もう一度おばあちゃんに会いたい、のぞみ号にまた乗りたい、お父さんとお母さんが仲直りしてほしい……。日記に書くと、ふしぎなことにその願いごとがかなっていく。
小学校三年生のときに水泳教室でおぼれてから、「オボレンジャー」というあだ名がついた光平は、今年こそは泳げるようになりたいと願う。そこで日記に書き、自分なりに練習をして夏休みの水泳教室に挑んだ。ところが、練習の成果はなく1メートルも泳げなかった。
そんなある日、公民館で家族と離れて暮らしているというおじさんに出会った。光平はおじさんの「ふるさとに帰る」という願いも日記に書いてあげることにした。
そして、光平にはどうしてもかなえたいある一つの願いがあった……。