レシピ

みりんってどんな調味料?砂糖との違いは?【基本の調味料・みりん編】

みりんは照り焼きや煮物など、家庭料理に欠かせない調味料の一つです。

常備しているご家庭は多いと思いますが、上手にみりんを使えていますか?

アルコールが含まれているから酒のようでいて、甘味もあるから砂糖のようでもある・・・みりんって結局何なのかしら?

今回の記事では、みりんの役割や上手な活用方法以外にも、おすすめのみりん3選もご紹介します!

みりんとは

みりん(味醂)とは、もち米、米麹、焼酎またはアルコールを原料とした調味料。

アルコール分は約14%、塩分は0%です。

みりんの作り方

  1. 蒸したもち米に米麹、焼酎またはアルコールを加えたものを半年ほどおいて糖化・熟成させて醪(もろみ)を作る。
  2. 醪を圧搾し、取れた液体をさらに半年〜1年ほど熟成させる。

※熟成期間は製造元によって異なります。

このように作ったものを「本みりん」と言います。アルコール度数は14%前後と高く、昔はこの本みりんや酒で生薬を漬けたものがお屠蘇(とそ)として正月に飲まれていました。

 醪を圧搾した後に残った粕は「みりん粕」または「こぼれ梅」と呼ばれていて、酒粕のように粕漬けなどに利用できます。

みりんの役割

〈まろやかな甘みを出す〉

みりんは複数の糖類で作られる「多糖類」という調味料です。ショ糖が主成分の上白糖に比べて、料理が複雑でまろやかな甘みに仕上がります。

〈照り・ツヤを出す〉

 みりんに含まれる複数の糖類は、食材の表面に膜を作ることで照りやツヤを出す効果もあります。

〈コク・旨味を引き出す〉

もち米や麹由来のアミノ酸や複数の糖類の働きによってコクが出たり素材の旨味を引き出す効果があります。

〈食材の臭みを消す〉

みりんに含まれているアルコールが加熱時に蒸発することで、肉や魚などの臭みを消す働きがあります。

〈煮崩れを防ぐ〉

糖分とアルコールが素材の煮崩れを防ぎます。

煮崩れを防ぐということは、見た目の良さだけでなく、崩れた断面から食材の旨み成分を逃さないという効果もあります。

フードオーディネーターが選ぶ!おすすめのみりん3選

本みりんはスーパーでも購入できますが、今回はスーパーでは中々手に入れることができない、こだわりの国産本みりんをご紹介します。

いつもの料理に上質な国産のみりんを使ってみると、味の違いは歴然です!一度味わうともう手放せなくなるかもしれません。

 フードコーディネーター歴15年以上の私が厳選した3選です!

福来純 伝統製法熟成本みりん

麹造りからこだわっているという福来純の本みりんは飲んでもおいしいと思えるほどのコク!まろやかな甘みと旨味が凝縮された味わいは、ステーキの和風ダレなどにもおすすめ!

一升瓶のみりんはコスパが良くておすすめですが、小瓶などに取り分けた方が使いやすいです。

角谷文治郎商店 有機三州味醂

宮城県や山形県など、国産有機もち米や米麹で造った角谷文治郎商店の有機三州味醂

みりんとしては国内で唯一、有機認定を取得しているそう(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会より農機農産物加工食品の認定証明を受けています)。

福光屋  福みりん

石川県の金沢で最も長い歴史をもつ酒蔵 福光屋で造られる純米本味醂 福みりんは石川県産のもち米と契約栽培の「フクノハナ」を原料に使用。 まろやかな甘みが特徴です。福みりんを3年間かけて熟成させた三年熟成 福みりんは、飴色に熟成して、そのまま飲むと、まるで上質な貴腐ワイン(デザートワイン)のような味わいです。

福光屋さんはもともとが歴史のある酒蔵なのですが、上質な麹でつくった塩麹や、日本酒をベースにした化粧水など、魅力のある商品にもファンが多いです(私もファンの1人です♪)

「本みりん」と「みりん風調味料」の違い

スーパーなどで本みりんの隣に「みりん風調味料」というものが並んでいますが、違いをご存知でしょうか?

「みりん風調味料」のほうが安いからそっちを買うことが多いけど、味や使い方は一緒でしょ?

みりん風調味料とは

みりん風調味料は、ぶどう糖や水飴、グルタミン酸ナトリウムなどを混ぜて熟成させずに作ります。短期間で作れて本みりんに比べて大量生産が可能なため、価格は手頃です。

みりんは酒類・みりん風調味料は食品に分類

みりん風調味料が本みりんより安くなる理由は、酒税も関係しています。

本みりんにはアルコールが14%前後含まれていて、混成酒類という酒類に分類されているため酒税がかかり、その分価格が高くなります。

本みりん みりん風調味料
アルコール分 約14% 1%未満
塩分 0% 1%未満

 

みりん風調味料のメリット・デメリット

みりん風調味料はアルコール分を含んでいないため、加熱をしてアルコール分を飛ばさなくても調理に使える、というメリットはありますが、先ほど「みりんの役割」で触れたような効果が十分には発揮されません。

塩分もわずかに含まれているため、本みりんにはない塩気が加わります。

本みりんのほうがみりん風調味料より価格はすこし高くなってしまいますが、 仕上がりを考えたら、できるだけ本みりんを使うことをおすすめします。

煮切りみりん

アルコール分をとばしたみりんを「煮切りみりん」といいます。

おひたしや酢の物に、みりんのコクや甘味を加えたい場合は、事前にアルコール分を飛ばして煮切りみりんを作る必要があります。

 煮切りみりんは、加熱してアルコール分を飛ばすだけで作れます。

  • 量が多めの時は鍋
  • 少量の時はラップをせずにレンジで加熱

がおすすめです。

みりんと砂糖の違い

砂糖とみりんのはどちらも料理に甘みやコクを加える役割がありますが、大きな違いはなんでしょうか?

砂糖の役割

料理における砂糖の役割は色々ありますが、特徴的なものはこの2点です。

  • はっきりとした甘みを加える
  • たんぱく質がかたくなるのを防ぐ

たんぱく質がかたくなるのを防ぐということは、お肉をやわらかくしたいチャーシューや、卵焼きをふわっとした食感にしたい時は砂糖をメインに使うのがおすすめです!

一方みりんは、煮崩れを防ぎたい煮魚やじゃがいもの煮物照りを出したい照り焼きなどで効果を発揮します。

砂糖をみりんで代用する場合の分量

このように砂糖とみりんの役割は違いますが、もし代用するなら、砂糖と同じ甘さに仕上げるにはみりんは砂糖の3倍の重量が必要になります。

砂糖とみりんの比重は異なるので、体積にすると砂糖大さじ1に対してみりん大さじ1.5という分量になります。その分水分が多くなってしまうので、注意が必要です。

みりんと砂糖を一緒に使う時の入れる順番

砂糖とみりんの両方を使う料理も多いですが、その場合はどちらを先に入れるのが良いのでしょう?

基本的にはみりんが先です。アルコール分と一緒に食材の臭みも飛ばしてくれるみりんは、酒と同じタイミングで最初に入れて、その次に砂糖を入れます。

 料理によっては砂糖で甘みを入れて、たんぱく質をやわらかくしてからみりんで照りをつける場合もあります。

おわりに

今回はみりんの役割についてまとめてみました。

みりんは甘み・風味・コク・照りなど、さまざまなおいしさを料理に与えてくれる調味料です。

砂糖との違いも合わせて知っておくと、それぞれを効果的に使うことができて、一気に料理の腕があがりますね!

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